君と旅の途中
「チャレンジは二回まで。その二回の間に美羽穂希を救うことが出来たらゲームクリア。そのまま話が進む。逆にもしも、美羽穂希が死ぬ、または死ぬルートが確定したら、その瞬間この時代、この場所に戻ってくる。わかった?」
「……あぁ」
俺は頷くと、竜頭をぐるりと回し、長針を一時に合わせた。
すると途端に懐中時計の錆が取れ、それはまばゆいばかりの金色の光を帯びていく。
視界が金色の光で包まれる中、ミクルの口が動く。
「……何があっても、諦めないで。……」
朦朧とした意識の中で、微かに聞こえたその言葉。
最後の方はあまりよく聞き取れなかったけど、……激励でもしてくれているのだろうか。
そこまで考えると、俺は襲い掛かる睡眠に身を任せ、目を閉じた。