薄氷
———まずはバックボーンから伺いたいです。ご出身など。

佐澤洸暉(以下佐澤): かなり田舎の出身です。世間と身内で構成されているような。
外の世界はテレビやネットで見るものでした。メディアを通して触れるだけだったけど、情報を得ることができたのはありがたかった。そうでなかったら、そこで一生を終えていたかもしれません。

インタビューは、大学を卒業後ニューヨークへ渡ったこと、現在の活動などを掘り下げてゆく。

———これは個人的な印象ですけど、佐澤さんの作品を見ると、いつもどこかヒリヒリした感覚がわくんです。

佐澤: ヒリヒリ、ですか?(不思議そうに)

———ええ、うまく表現できないけど、心の無防備なところをつつかれるというか。
数学者らしい理論に基づいている一方、非常に危ういバランスの上に成り立っているとも感じます。
そこが魅力的で、目が離せないところなんですけど。

こちらの言葉に、彼は「なるほど」とうなずいて、個人的なエピソードを語ってくれた。
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