きらめく星と沈黙の月
「星矢が定期戦に桜を呼んだ意図も分からないし、何考えてるかも分からないから何とも言えないね…。でも、星矢の中で桜が大きな存在だってのは確かだと思うよ」


「なんでそう思うの?」


「星矢は否定してたけど、4回裏で調子が狂った原因は間違いなく桜だよ。星矢は、桜の位置を確認したあと、マウンドに立つ度にそっちに視線を送ってた」


…また私が碧の精神をかき乱したんだ。


やっぱり行かなきゃよかった。


結局碧に迷惑かけちゃったんだ…。


「落ち込むのはまだ早いって。桜がいなくなったから調子を崩したんだとしたら、星矢はどうしても桜にいてほしかったんだよ。どうしても試合を観てほしかったんだよ。理由は分かんないけどさ」


碧は…私に何を求めてるの?


私は…野球部に関わる資格をもってるの…?


もう、関わってもいいの…?


「これは私の推測なんだけど、星矢はさ…溝を埋めたいんじゃないかな。二人の間には隠し事とか負い目があって、どんなに仲が良くても、埋まらない溝があるじゃん。それをどうにかしたいって思ってるんじゃないかな」


溝を埋めたい…か。
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