きらめく星と沈黙の月
瑠璃は碧がいなくても、他の生徒がいたらボロを出さない。


嘘泣きだって平気でできる女だったんだ。


『自作自演?笑わせないで。私が邪魔だから嫌がらせしてるんでしょ?碧と私が仲良いから。嘘泣きなんかやめて本性見せなさいよ!』


瑠璃の怖さを分かってなかった私は、思いっきり啖呵を切ってしまった。


そして、瑠璃は机に突っ伏して号泣し始めた。


教室内にザワめきが広がっていく。


『最低』


ボソッと吐き出された声が私の心に突き刺さった。


私の世界じゃ瑠璃は悪者なのに、皆の世界じゃ逆。


私は、瑠璃を泣かせる最低な女に見えるんだ。


マドンナに食って掛かる私に味方する人間なんてそうそういない。


皆、純粋無垢で可愛くて優しいし聡明な瑠璃に騙されているんだから。


─ガラガラ


この男はいつもタイミングが悪い。


『瑠璃?』


机に顔を伏せている瑠璃を見るなり、碧が駆け寄ってくる。


碧の大きな手が瑠璃の背中に触れた。
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