きらめく星と沈黙の月
強いて言うならグリーンピースが食べられないところくらいだ。


「桜子さぁ、たまに俺のこと睨んでるけど、何?俺の顔に何かついてる?」


「いや、別に。碧が完璧すぎるからムカつくなぁって思ってただけだよ」


「はぁ?ったく、また意味の分からないことを」


映画館を出ると、自然と碧が車道側を歩く。


ほらね。


紳士なんだよ、碧って。


できないことなんて何もない。


「平凡な私に、何でもいいから能力分けてくれたっていいじゃんね」


冗談っぽく話したけど、本心が混じっていないと言えば嘘になる。
< 22 / 586 >

この作品をシェア

pagetop