きらめく星と沈黙の月
雨音に紛れて、耳元で微かな嗚咽が聞こえてきた。


「…大丈夫だよ……っ。大丈夫だよ、碧…っ」


誰も碧を責めたりしない。


碧は全力を尽くした。


「皆わかってるから…。碧は頑張った。誰よりも頑張った。そうでしょ…?」


碧の震える手が、私の背中に回った。


「大丈夫だからね…碧」


雨の中、碧は泣き続けた。


何度も何度も身体を震わせながら…。


ただ、背中をさすってあげることしかできなかった。


泣き崩れるエースを、ただ見つめることしかできなかったんだ。
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