きらめく星と沈黙の月
大歓声のなか、挨拶を済ませた海南ナインがグラウンドへ散っていく。


碧は5番。


打席が回ってくるまではまだ時間がある。


試合開始と共に球場のボルテージはうなぎ登りに上がっていく。


藤北伝統の応援歌と、男子生徒たちの野太い声援。


メガホンを叩く音。 


吹奏楽部のトランペットの音。


一塁側で赤く揺れる応援タオル。


陽菜が押しつけてきた赤いタオルは、私の膝の上で眠っている。


海南のピッチャーが投球姿勢をとる。


─パァンッ


速いストレートで試合は幕を開けた。


先頭打者は続く2、3球目も打てず、見逃し三振。


1アウト、ランナーなし。


久しぶりに観る野球に、何故か私が緊張している。
< 33 / 586 >

この作品をシェア

pagetop