きらめく星と沈黙の月
「…明日の午後、俺らはどんな顔をして話してるんだろな」


碧の頭は選考会一色。


それは分かってるし、そういう碧が好きなんだ。


だけど、少し寂しい。


私だけがドキドキして、私だけが緊張している。


寂しいな…。


「…去年よりも緊張するけど、去年よりも心強い」


碧がチラッと私を見た。


「…桜子がいるから」


「……何言ってるの。去年よりも碧が頑張ったからでしよ?」


私は何もしてないよ。


ただマネの仕事をこなして、側にいるだけ。


「緊張するのも、心強いのも、全部、碧が死ぬ気で頑張ったからだよ」


鬼気迫る表情で階段ダッシュや筋トレをしているところを何度も何度も見てきた。
 

全身でゼェゼェ息をして、汗や土まみれになって駆け回っているところだって。


倒れそうになるくらい頑張っていた。
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