きらめく星と沈黙の月
「碧先輩のことが大事なんですね」


バカにしたように鈴宮さんは笑う。


「…大事だよ。あなたには分からないかもしれないけど」


人の夢を簡単にバカにするような女に、私たちのことは分かりっこない。


別に分かってほしいとも思わない。


ただ、邪魔してほしくないだけ。


「…先輩の方こそ、現状を分かってないんじゃないですか?」


「どういう意味よ」


食ってかかってしまった私の頭を、陽菜がペシッと叩いた。


これ以上関わるなという忠告だろう。


「陽菜先輩ってすごく私のことを敵視しますよね。それってぇ、私が蒼士先輩と関係を持ったからですかぁ?」


聞き捨てならない言葉に、陽菜の動きがピタリと止まった。


「私が退部する時、引き換えに1度だけホテルに行ったんです。関係を持ってくれたら辞めてあげるって言ってね」
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