きらめく星と沈黙の月
元気付けてあげようとリップサービスしてあげたのに、なにさ。


碧のバカバカ。


なぁーんてね。


「思ったより元気でよかった」


そんな大量失点、そうそう経験してないだろうから、心配だった。


けど、大丈夫そうだ。


「…ありがとな桜子」


いつも通りニカッと笑って、碧は数学の教科書を広げ始めた。


「どういう風の吹きまわし?」


今の流れじゃ、絶対に教科書開こうとは思わなくない?


「いや、だって明後日からテストだろ」


「…え」


「まさか知らなかったのか?」


初耳…ではないかもしれないけど、記憶から抹消していたのは事実。


ほとんど寝耳に水状態だ。


「初日、数学あるけど大丈夫か?」
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