きらめく星と沈黙の月
「ま、後者が正解かな」


松平くんは観念したように笑った。


「何がおかしいのよ」


今にも飛びかかってしまいそうな陽菜の手を握り、松平くんを見つめる。


「お願い、松平くん。全部自作自演だって先生たちに説明して。お願い!このままじゃ、せっかく掴み取った甲子園がなくなっちゃう…っ」


そんな苦しい経験、碧にしてほしくない。


あんなに努力したのに…。


努力して勝ち取った夢の舞台なのに…っ。


「嫌に決まってんじゃん」


血も涙もない冷たい言葉。


松平くんってこんな人だった…?


いつも碧のことばかり追ってて、松平くんのことまで見ていなかった。


これが松平くんの本性なの…?


「ずっと星矢のことが嫌いだった」
< 513 / 586 >

この作品をシェア

pagetop