きらめく星と沈黙の月
「最低?むしろ感謝してほしいくらいだよ」


は…?


感謝?


「何言って─」


「誰?今ゲームしてっから黙ってくんね?」


家の奥の方から、金髪でアクセサリーをジャラジャラつけたヤンキーが出てきた。


なんでこんな連中と藤北生がつるんでるの…。


しかも、硬派な野球部が…。


「最初はアイツらに頼んで星矢をリンチしてもらうつもりだった。だけど、鈴宮が良心的な計画を持ちかけてきたから、そっちに切り替えた。感謝すべきだと思わない?」


リンチ……。


背筋がゾッと凍りつく。


陽菜が私の手をぎゅっと握ってくれた。


「お前らがここに来たってことは、先生たちの誤解を解こうと躍起になってるってことだろうから忠告しとく」


松平くんは冷たく笑って言った。


「星矢の選手生命を奪われたくなければ、鈴宮のシナリオに乗っかることだな」









何もできなかった。


そんな脅し文句を言われてしまったら、身動きがとれない。


何もできない自分が憎かった。







そして、事態は最悪の結果を招くことになってしまった─。




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