きらめく星と沈黙の月
碧は頭上にハテナを浮かべたまま、説明を再開する。


けど…なんだかドキドキして集中できない。


腕が密着していて、距離が近いからかな…?


「んで…その例題がこれ。今の説明でできると思うからやってみ」


トントンとシャーペンの頭で問題を指定する。


「んー……」


正直、碧の説明は右から左へ受け流されていっただけ。


何も理解できていない。


「…無理そう?」


「…うん」


「あー、じゃあ……」


私が分かるまで何度も何度も説明してくれる碧。


理解力がない私に教えるなんて、相当イライラするだろうに、嫌な顔なんてせず丁寧に教えてくれた。


「できた!あってる!?」


「うん、正解。これで0点回避だな」
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