周王 龍巳を怒らせるな
プロローグ
私の彼は、美しき“悪魔”


背中に背負っている、王冠をかぶった龍。

私のことを“穂ちゃん”の呼び、爽やかに笑う顔。

ソファに並んで座り足を組んだ彼が、身体事私の方を向いて頭を撫でながら“好きだよ”とうっとりして囁く。

キスをすると煙草を苦い味が残り、顔を歪める私に機嫌を損ね、部下に当たる。

怒ると、悪魔が憑依したように相手をなぶり殺す。

私が離れようとすると、一晩中貪るように抱いて言い聞かせるんだ。
「一生、放さないよ」
と。



そして、キレると━━━━━━


それでも私は、彼から放れられない。



彼は、美しき悪魔。

眉目秀麗、文武両道。

何をしても完璧にこなす、彼。

いつも爽やかに微笑んで、女性のハートを掴んでく。


そんな彼だが、裏ではこう言われている。


“周王 龍巳を怒らせるな”と…………



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