周王 龍巳を怒らせるな
教えてあげる
「穂ちゃん、泣かないで?
ごめんね…一人にして……」
「………」
「大丈夫だよ。放さないって言ったよね?
穂ちゃんを振るなんて、あり得ないよ」
「ほんと?」
「もちろん」
「よかったぁ…
…………たっちゃん、寝よう?
たっちゃんにギュッてされて、寝たい」
龍巳を見上げ、言った穂華。

「……////可愛い…穂ちゃん。
うん、寝よう」

龍巳の腕枕で横になる。
「たっちゃん」
「ん?なぁに?」
「ワガママ言ってもいい?」
「うん、どうしたの?」
「私が眠るまで、頭撫でててもらっていい?」
「…………うん、もちろん!」
「よかった…ありがとう…!」
ゆっくり頭を撫でる、龍巳。

「え?」
「ん?何?たっちゃん」
「ワガママは?」
「は?頭撫でてって、言ったでしょ?」
「それ、ワガママなの?」
龍巳は心底、不思議そうに穂華を見た。

「え?だって、私が眠るまでだよ?
…ってことは、たっちゃんそれまで起きてなきゃいけないんだよ?
ワガママでしょ?」
穂華も龍巳を不思議そうに見て、言い返す。
「…………」
「……え?変?」
「うん、変」
「えーそうかなぁ?」
「そんなの、僕からすれば全、然ワガママじゃないよ!可愛い、甘えだよ。それ!」
「そうなんだ」
「そうなの!
だから、もっと言って?
穂ちゃんのワガママ、聞いてあげたい!」
そう言って、額にキスをした。

「んー?
じゃあ…デート、したいな。
やっぱり、たっちゃんとどこかに出かけたい」
「うん、もちろん!
…って、それもワガママじゃないよ?」

「えーー!じゃあ…わかんない!」
そう言って、頬を膨らませる穂華。
そんな穂華を見て“あぁ、益々放せないな”と思う、龍巳だった。
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