好きになってもいいですか? ~訳あり王子様は彼女の心を射止めたい~
トントン。
「はい」
ノックの音がして返事をした。
「ああ空、ここだったのね」
入ってきたのは礼。
どうやら空を探していたらしい。
「どうした?」
何があったんだと空が振り返る。
「大地の姿が見えなくて」
キョロキョロとあたりを見回しながら、礼が探している。
「おふくろたちの控室は?」
「見たけどいないの」
「ったく、探してみるよ」
「ごめんね」
「いいさ、いそうな場所の見当はつくし」
話し終わるより先に空は出ていった。
「遥もごめんなさい忙しい時に」
「イヤいいんだ」
「あの、本日はおめでとうございます。萌夏ちゃんとっても奇麗ね」
「ありがとう。礼も着物が似合っているよ」
「そう?お母様とお父様がわざわざ用意してくださったの」
嬉しそうににっこりと笑った礼。
「幸せそうだな」
「ええ、とっても」
十代のころから自分の力で生きてきた礼は、こんな風に誰かに甘えたことはなかったんだろう。
今までずっと頑張ってきた分も幸せになってほしいと俺は思っていた。
「よかったな」
「うん」
「礼―」
廊下から聞こえてきた空の声。
「はい」
ノックの音がして返事をした。
「ああ空、ここだったのね」
入ってきたのは礼。
どうやら空を探していたらしい。
「どうした?」
何があったんだと空が振り返る。
「大地の姿が見えなくて」
キョロキョロとあたりを見回しながら、礼が探している。
「おふくろたちの控室は?」
「見たけどいないの」
「ったく、探してみるよ」
「ごめんね」
「いいさ、いそうな場所の見当はつくし」
話し終わるより先に空は出ていった。
「遥もごめんなさい忙しい時に」
「イヤいいんだ」
「あの、本日はおめでとうございます。萌夏ちゃんとっても奇麗ね」
「ありがとう。礼も着物が似合っているよ」
「そう?お母様とお父様がわざわざ用意してくださったの」
嬉しそうににっこりと笑った礼。
「幸せそうだな」
「ええ、とっても」
十代のころから自分の力で生きてきた礼は、こんな風に誰かに甘えたことはなかったんだろう。
今までずっと頑張ってきた分も幸せになってほしいと俺は思っていた。
「よかったな」
「うん」
「礼―」
廊下から聞こえてきた空の声。