雨の日、彼の秘


「いつまでストーカーするつもりですか」


?!


「桃姫、紅葉さん」


ば、ばれてる?!

なんで?!


「先生って超能力者!?」


スズメと喋ってるし、ファンタジーの人?!

きっとそうなのね?!


「あなたが分かりやすいんです」

「足音、気配、全てだだもれでした」


…ま、まじかっ


スズメと話しているときと違って、やっぱり紅葉と話すときの碧先生はそっけないし、笑わない。


さっきのスマイルはどこへ…?


「先生、スズメには優しいのに紅葉には冷たいじゃん!」


ぷぅっと頬をふくらませても、やっぱり先生は表情を変えない。


むぅ…手強いな…


でもいいもん。

今日は先生の秘密を知ったから。


__雨の日の、先生の秘密。


無表情で有名な先生が、笑顔で雨宿りしてるスズメに話しかけてるなんて、皆きっと知らないもん。


先生に近づいて、


「先生の雨の日の秘密みちゃったもんね」


そう言ってイタズラにベッと舌を出した。


えっへん。

少しは動揺したまえ!


「…先生も、あなたの秘密知っていますよ」


…え、


うっそだぁー!


「先生!悔しくても嘘はダメだよ!」


笑いながら先生を見上げたとき、スッと耳元に寄せられた先生の唇。


一瞬だけ、時間が止まったかと思った。



「……前にあなたが授業中に落書きしていたのを見ました。」


「寝落ちしていたので、気づいていないと思いますが。」


すぐ近くで囁かれた低音が鼓膜を揺らす。


へ?!うそ?!


だんだんカァァと頬が熱くなる。


だって…あそこに描いたのは…


_バサッ


先生が手に持っていた傘をバッと広げると、紅葉の方にかたむけた。



「…先生と、してみますか?」


ノートの端に描いた、小さな憧れ。


下手くそな相合い傘の絵と共に、小さな憧れを書いた。



__いつか好きな人と、相合い傘をしてみたい。



傘をかたむけた碧先生の顔は、ふっと微笑んでいた。


それはそれは甘く、危険な色で__。


「…先生、そんな顔もするんだ」


またひとつ、

先生の秘密を知ってしまった。




__雨の日、彼の秘

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