これがリアルな恋愛事情〜好きの形はひとつじゃない〜



はぁ。どっと疲れるこの状況。早く帰りたい、、。


無言が続く。



さらに無言が続く。



耐えられない無言!もう無理っ、、。
でも、そろそろ分岐点。そこまで耐えれば、!


「んで、家はどこなの?」



沈黙が続いたこの空気を破ったのは岸くんだ。だけど、私の家を聞いてどうするつもりなの。


「なんで?まさか、送ってくれるのー?いいよ別にそんな、」


冗談のつもりで言ったその言葉は、私の送らなくていいよ!って気持ちを裏に込めた。


「はーーー?女の子1人で帰らせろって言うの?俺はそんな人間じゃないんだけどー」


岸くんの口から“女の子”なんて言葉が発せられるのはなんだかくすぐったい気持ちになった。でも、意外な言葉に私は驚く。



「あ、そうなんだ?岸くんって私の事嫌いだと思ってたから申し訳ないなって思って、、、」



と、(むな)しい気持ちを隠して笑いながら言った。



「、、、誰がいつ嫌いって言ったんだ?言ってみろ。」


誰だよと教えろって言わんばかりに眉間(みけん)(しわ)を寄せる岸くん。

??
この人本気で言ってるの?本っ当に話せば話すほどわからない。



「いや、勘違い、、だったのかな?それならいいんだけど、、」


ははは、と空笑いをすることしか出来ない私。意外な展開について行かない。どうやら、嫌われてはないみたい。




本当にこの後家まで送ってくれて、バイバイして別れた。


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