信じてもらえないかもしれませんが… あなたを愛しています
「パーパ。」
駆は今度は樹の頬を撫でている。父と母に挟まれて、彼も嬉しそうだ。
「今後は、北海道に…ここにずっと住んで仕事をしようと思う。
昨日、少し実証できたから、これからは本格的に取り組んでみるよ。」
パソコンさえ繋がれば何とかなると樹は笑った。
父の笑顔を見て、駆もつられてキャキャッと声を立てて笑っている。
その時、真由美の大きな声がホールにまで響いて来た。
「さあさ、お昼御飯ですよ~。
ご馳走沢山作りましたからね、しっかり食べて下さいよ~。」
その声に一番に反応したのは駆だった。
「マンマ!」
「へえ~、駆も真由美さんのご飯が好きなんだな。パパもだぞ。」
駆を抱き直して、樹は食堂に向かって歩き出した。
「安心したら、腹が減った。」
「フフっ。こっちで暮らしたら、パパ太っちゃうかもね。」
ツンツンと駆の頬を触りながら彩夏が言った。
樹と一緒に暮らす事を暗示する言葉だった。
「この家に俺を受け入れてくれるのか、彩夏。」
コクリと彩夏は頷いた。
「これからは、何回でも言葉で伝えて。愛してるって。
何度でも、何度でも… そうしたら、あなたを信じるわ。」
「彩夏…。」
樹は、駆のプニュプニュの頬にまず頬ずりをした。
「愛してるよ、駆。」
次に駆を抱いたまま彩夏の頬に軽いキスを落とした。
「愛してるよ、彩夏。誰よりも。」
「私も…。」
そして、もう一度、今度は唇を合わせて二人は甘いキスを交わした。
「これからは三人一緒だ。いや、駆に兄弟がいるな。」
「樹さんたら…、気が早いのね。」
頬を染める彩夏を、樹は美しいと改めて思った。
もう一度キスをする。
「部屋に行きたいな…。」
「ダメ、お食事です。」
「ダア?」
何度となく交わされるキスを見て、駆は不服そうだ。
樹と彩夏はそんな駆を見て、自然と笑顔になる。
日射しが眩しいリビングに、家族の明るい笑い声が響いていた。


