オスの家政夫、拾いました。0. プロローグ
理央の褒め言葉に、彩響は笑いながら運ばれてきたビールを飲んだ。結婚準備やなんやらで結構忙しかったけど、あの日以来完全に自由になり、むしろ担当していた雑誌の売上は上がった。退勤後、無理やりデートに呼ばれることも当然なくなり、疲れも以前よりは溜まってない。はっきり言って、あいつと別れて損したことは何ひとつない。
「今更だけど、あいつと別れて正解だったと思うよ。あんたより稼ぎも少ないくせして、なんなの、あの傲慢さ!私、あんたがうちの夫のような人には結婚してほしくなかったの」
「…さり気なく旦那さんディスらないで」
「うちの旦那ね、以前亜沙美に自分の靴下脱がせて、『こうすると男に愛されるぞ』とか言ってたんだよ?それで私が『亜沙美が将来結婚して夫にこんな扱いされてもいいわけ?』と言って大喧嘩したの」
「今更だけど、あいつと別れて正解だったと思うよ。あんたより稼ぎも少ないくせして、なんなの、あの傲慢さ!私、あんたがうちの夫のような人には結婚してほしくなかったの」
「…さり気なく旦那さんディスらないで」
「うちの旦那ね、以前亜沙美に自分の靴下脱がせて、『こうすると男に愛されるぞ』とか言ってたんだよ?それで私が『亜沙美が将来結婚して夫にこんな扱いされてもいいわけ?』と言って大喧嘩したの」