魔法の恋の行方・わがままな使い魔(シリーズ2 クラリスとアンバー)

交流会・7日目 20-22ページ

<グスタフ皇国・王宮・平野・交流会7日目・13時30分・出発>

交流会7日目は
<宝さがしゲーム>だ。

オリエンテーリング競技に近い。

二人一組で3チームが競う。
これは男女のカップルで行われる。

将来の縁組や相性、
リーダーシップ、コミュニケーション能力などが見られる。

会場は
グスタフ皇国の森と小高い山だ。

いろいろな場所に
指示書が隠されていて、
それを見つけ、指示書通りの物を
持ち帰る。
それも制限時間があり、
超えると失格になる。

この競技ではアンバーが有利だ。
自国の領地は、
知り尽くしているから。
一番不利な国と組まされるに
違いない。

アンバーは嫌な予感がした。
あのまったくやる気のない
魔女の国・クラリスと組むのか・・

アンバーは
気持ちを切り替えるよう
自分に言い聞かせた。

1位を取るためには
どんな嫌な奴とでも、うまくやらねばならない。

クラリスはたぶん、すぐにどこかに勝手にいくだろう。

イーディスは無視すればいい。
自分の領地なのだから、自分で
判断したほうが早い。

さっさと終わらせればいい。

係りの側近が30分ごとに組み合わせの国名を呼ぶ。

アンバーの予感は当たった。
最後に残ったのは自分とクラリス。

「グスタフ皇国、アンバー様と
魔女の国、クラリス様、
ご出発の準備をお願いします」

アンバーは持ち物を点検した。
山に入る可能性がある。
ナイフと水、食料、
あと、山の天候は急に変わる。
マントも必要だ。

それぞれの使い魔は、ゴールで待機になる。

(あるじ)に何かあった時に
すぐに対応できるように
しておくためだ。

ミエルはいつも通り、
アンバーの邪魔にならないように
すこし距離を置いて立っていた。

イ―ディスはいなかった。
クラリスは
一人ぽつんと立っていた。
なんの準備もしていないようだ。

<グスタフ皇国の山をなめるな>

アンバーは言いたかったが、
口を閉じた。
クラリスはすぐいなくなるだろう。

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