白鳥学園、いきものがかり



「……監督、」


私を支えたまま、暫く黙っていた累が振り返る。



「すみません。少し休みたい」

「へ?…あ、ああ。いいけど…」

「…ありがとうございます」



何故か驚いた様子の周りに疑問を感じていると、身体が宙に浮く。


「きゃあ、!」

「じっとしてて」


そ、そんな事言われても…!

それよりも…!
どうしてみんな私を抱えたがるの!?

しかも!お姫様抱っこだなんて!注目されるに決まってるじゃない!


何処かへ足早に歩いていく累と顔を隠す私。
スタジオの外へ出て、外の空気を感じる。


「紬、もういい」


……?

いつの間にか、外にいた。ベンチに座る累は何故なのか私を抱っこしたまま。


「る、るい。私隣に座っ…」

「ベンチ、硬い、駄目」


ベンチが硬いのは当たり前だと思うけど…?


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