白鳥学園、いきものがかり
風が吹く。
肌寒く感じる私と反対に、分厚いスウェットを腕まくりをする暑そうな累。
手を伸ばし、頬に触れる。
温かいと言うより暑い感じだった。
「あまり迷惑を掛けちゃ駄目だよ」
「……掛けてない」
嘘つき。怒られてたの、私は見てたんだよ?
”優しく微笑む事も出来ないのか!?”
…なんて言われてたのも見てたんだから。
「累なら出来るよ。私にいつも笑いかけてくれたでしょ?」
頬に添えた手に累の手が触れる。
絡む指と真剣な眼差し。
「……無理だ」
そう言うと、私の手を口元に持って行く。
チュッ、
手の甲に触れた唇。
名残惜しそうに離れて行く。
「紬じゃなきゃ、無理だ」
……る、い。
心臓が弾み、鼓動が早まる。
赤らむ顔に累の指先が触れた。
優しい笑みを浮かべて────────、
「それだよ!!!!!!!」