白鳥学園、いきものがかり
指は絡み合いぎゅっと強く握られた。
「俺も会いたかった。紬…好き、だよ」
目が合う。時が止まったみたいに、透き通った累の瞳に吸い込まれる。
優しく微笑む累はきっと…私しか知らない。特別な顔。
ドキッ、と胸が高鳴り顔を逸らす。
「…紬?」
「っ…、み、見ないで」
顔真っ赤なの分かられる。
…ずるい、って言うのは累の事を差すんだ。
そんな小さな抵抗はあっという間に終わって、
「紬、見せて」
「っっ…、」
下から覗かれ、顔を隠していた手を掴まれる。
確実にバレた真っ赤な顔を見て累はまた笑う。
「可愛い、紬」
「そ…そういう事、冗談でも言わないで」
「…俺、紬に嘘付いた事、一回しかない」
…一回?
「え?…累、私に嘘付いた事あるの?」
「………、」
突然のカミングアウト。累は冗談は言うけど、嘘は言わないと思ってたから。
今までだってそうだった。
私に対して、黙っていた事なんてあったの?
累は私の顔をジッと見た後で、首筋に手を置いた。