白鳥学園、いきものがかり
「ふざけんな…てめぇら…俺の紬を勝手に…」
「俺の?…紬はいつ鰐渕のモノになった?紬、分かる?」
え?…紘の物?
「私は…紘の物じゃない…よ?」
それは紘だけじゃない。みんなも。だって私は私だもの。
ガシャンッ!
「きゃっ…!」
突然点滴のスタンドを投げ払われた。勢いが強すぎて私の腕に刺していた針が抜け、そこから血が出る。
……痛っ、
「紬、これで抑えて」
「直ぐに医者を呼ぼう」
累はワイシャツを脱ぐとその腕に巻き付け、傑はベッドのナースコールへ手を伸ばす。
「紬…もう一回言えよ。言ってみろ」
「ひ、ひろ…怖いよ…」
「良いから言え。俺のもんじゃねぇ?ちげぇだろ。紬は────────、俺のもんだ。俺だけのもんだろ」
乱暴に私の腕を掴んだ。払いのけられた累と傑。掴まれた腕は血が滲む方の腕。
「紘…痛い…」
「早く言え。”私は紘のモノです。”そう言えよ!」
累のワイシャツが赤くなっていく。強く握られたせいで血が止まらない。
ッ……!
「紬!!」
「い…いやっ…」