白鳥学園、いきものがかり
翔が私の頬を撫でた。
「ん。なに?」
「ゴミ付いてたよ」
摘まんでいたのは羽根。
翔の新曲衣装の装飾だ。
「あ、そうそう。新曲聞く?」
「え?でも、」
まだ未解禁の物じゃ…?
狐ポーズの指先に翔がキスをして、その後に私の唇に。チュっと、キスするかのように翔がキスした指先に触れたの。
「紬ちゃんは特別だよ。僕だけ見ててね?」
翔の頭の上の狐に思わず胸がキュッとした。
今のは間接────────。
「ッ…紬!」
突然の叫びにビクッとした。
「俺は言ったはずだ。甘えてばかりはやめろと」
そう、だったけど。
鏡もない状態で、何処に付いているか分からないゴミ。それすらも自分で把握して取らなければならないのだろうか。
…そんな高度な事、私出来るかな。
「いいんだよ紬ちゃん。だって僕…、”好きで手伝ってる”んだから」
強調された最後の言葉に驚いたのは実くんだった。
「お前……!」
「翔は世話好きだもんね」
良く昔から小さな動物飼っていたもんね。
兄弟いないから代わりに飼ってるんだって言ってた。
「そうだよ?僕が好きで好きで、だーいすきでお手伝いしてるの。だから紬ちゃんは心配しなくていいんだよ?勿論…、先生も。心配いらないから…安心しなよ?ね?」