白鳥学園、いきものがかり
今日は凪と翔だけの通学。
何故なら他の三人は忙しいから。
紘と傑はダブル主演のドラマ撮影。
累はCM撮影の打ち合わせって言ってた。
遅れてでも来るって言われた…けど。多分今日は無理だと思う。だって、今日は短縮授業で三時限しかやらないらしいから。
「…ごめんね」
「どったの?」
首を傾げる翔。
…だって。
「私にスケジュール合わせてくれてるんでしょ?
でも大丈夫だよ。
前より体調も良くなってきてるから。
それに、何かあったら実くんが付き添ってくれるって言ってくれたから」
入学前に言われた言葉。
”辛いなら俺が送り迎えも、付き添いもしてやる。だからあいつ等ばかり頼る必要ない。俺を頼れ。”
そう言ってくれた。
不本意だけど…きっと私は一人じゃいれない人だから。
「紬、」
凪の低い言葉に身体を大きく揺らした。
「な、ぎ…?」
今のなに?
凄く怖い声だった。
それだけじゃない。
翔からも冷たい視線を感じる。