白鳥学園、いきものがかり


今日は凪と翔だけの通学。
何故なら他の三人は忙しいから。

紘と傑はダブル主演のドラマ撮影。
累はCM撮影の打ち合わせって言ってた。


遅れてでも来るって言われた…けど。多分今日は無理だと思う。だって、今日は短縮授業で三時限しかやらないらしいから。


「…ごめんね」

「どったの?」


首を傾げる翔。

…だって。



「私にスケジュール合わせてくれてるんでしょ?

でも大丈夫だよ。
前より体調も良くなってきてるから。

それに、何かあったら実くんが付き添ってくれるって言ってくれたから」



入学前に言われた言葉。


”辛いなら俺が送り迎えも、付き添いもしてやる。だからあいつ等ばかり頼る必要ない。俺を頼れ。”


そう言ってくれた。

不本意だけど…きっと私は一人じゃいれない人だから。


「紬、」


凪の低い言葉に身体を大きく揺らした。


「な、ぎ…?」


今のなに?
凄く怖い声だった。

それだけじゃない。
翔からも冷たい視線を感じる。
< 66 / 199 >

この作品をシェア

pagetop