性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。

高台の大雨がどれくらいの規模かなんて
まったく予想が出来ない私にとって
これは与えられた試練なのかもしれないとさえ感じながら
刻一刻とその時間を待っていた。

そんな時に
スマホに掛かってきた1本の電話。

着信元は、壱琉だった。


この1週間
1度だって連絡なんてした事がなかった彼からの着信。
これはもしや私を心配しての…?

アイツにも優しいところがあるんだなとか
ちょっとした期待を抱きながら電話に出て…
驚いた。

『おい詩菜、言い忘れてた。
 庭の花を閉まっておけ。
 雨で遣られる前にな』

「え、ちょッ――」

まさに用件のみを伝えて
かと思えば、一方的に電話を切られてしまい
耳に残るのは”ツー・ツー”

「それだけかいッ!!」

通話が切れたスマホに向かって
芸人並みのツッコミを入れた。

”心配したと思って連絡”
壱琉に対して勝手にそんな夢のような事を期待した自分が情けない。

「はぁぁ…。
 どうして今そんなこと言い出すのさ」

雨が強くなる前に早く言ってほしいと思いつつ
言われた通り植木鉢を探しに庭へ。

もうその頃には
一歩外へ出ただけで大量の水が全身を襲ってくる。

植木鉢の場所は知らなかった。
庭に関しては、まだちゃんと見た事がないから。
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