悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!
(ナタリア、あなたは本当に幸せ者ね)

期間限定とはいえ、泣く子も黙る獣人皇帝に、ここまで愛されているのだから。

ナタリアはいよいよ、リシュタルトの自分への愛情が、最大になったのを感じた。

頼むなら、今しかない。

ようやく、獣操師の認定試験が受けられる年になったのだ。

アリスが現れるまであと二年しかない。早めに次の段階に進まなければ。

「お父様。ひとつ、お願いがあるのです」

ナタリアは改めてリシュタルトに向き直った。

七年前から、リシュタルトはナタリアが獣操師になるための勉強をするのを、見守り続けてくれた。

公認になってからというもの、進んで書物を買ってくれ、イサクに会いに食堂に行くときも、目立たないように見張りをつけてくれている。

ときにはイサクに対抗するかのように、獣と触れ合った経験談を話してくれたりもした。

リシュタルトは獣操師ではないが、獣化ができる。

そのため、獣しか知り得ない情報をたくさん持っていた。

ときには書物にも載っていないような貴重な話もあり、ナタリアは興味津々だった。

「どうした? 真面目な顔をして」

「私、十三歳になりました。だから、獣操師の認定試験を受けに行きたいのです」
< 134 / 251 >

この作品をシェア

pagetop