エル・ディアブロの献身

 ぴこん。
 ぴこん。
 ぴこん。
 連続したその音に、ふ、と意識が浮上した。

「…………ん、」

 懐かしいものを、夢で見た。
 それを脳が理解してから、ようやく手探りで音源を探し始める。見つけたそれをわし掴んで己の方へと引き寄せ、ディスプレイへと視線を向ければ、聞こえた音の数よりもひとつ多い受信メッセージ。

 ── おはよう
 ── 起きてる?
 ── 連続でごめんな。でも昨日のが気になって
 ── あれから、平気だった?

 メッセージの送り主は、ついさっきまで夢に出てきていた、彼。
 タイムリーなそれにくすりと小さく笑みがもれた瞬間、夢の続きが脳内で展開される。
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