恋する理由がありません~新人秘書の困惑~
「まさか、莉佐に堕ろせって強要しないよな?」
低い声音で威嚇するように、唯人さんがお母様に問いかけた。
この妊娠をなかったことにするなんて、それだけは私も絶対に承諾できない。
「唯人、私を“鬼”だとでも思ってるの? 私だって女だし母親なのよ」
お母様は物怖じせず、心外だとばかりに唯人さんを睨みつけるように言い返した。
「堕ろせって言うわけないでしょ。自分の夫が外で作った子どもですら産めばいいって認めたのよ!」
まさか自分のほうに砲弾が飛んでくるとは考えていなかった社長が、顔をしかめてうつむいた。
お母様が口にしたのは、唯人さんの異母弟のことだろう。
「信じられないわ。夫だけじゃなく息子まで……どうして身勝手に子どもを作るの!」
興奮状態で本音を口にするお母様を目にし、私は心配でたまらなくなってしまう。
様々なことを思い出し、乗り越えて心の奥に閉じ込めたはずの辛い気持ちまでよみがえってきているのかもしれない。
低い声音で威嚇するように、唯人さんがお母様に問いかけた。
この妊娠をなかったことにするなんて、それだけは私も絶対に承諾できない。
「唯人、私を“鬼”だとでも思ってるの? 私だって女だし母親なのよ」
お母様は物怖じせず、心外だとばかりに唯人さんを睨みつけるように言い返した。
「堕ろせって言うわけないでしょ。自分の夫が外で作った子どもですら産めばいいって認めたのよ!」
まさか自分のほうに砲弾が飛んでくるとは考えていなかった社長が、顔をしかめてうつむいた。
お母様が口にしたのは、唯人さんの異母弟のことだろう。
「信じられないわ。夫だけじゃなく息子まで……どうして身勝手に子どもを作るの!」
興奮状態で本音を口にするお母様を目にし、私は心配でたまらなくなってしまう。
様々なことを思い出し、乗り越えて心の奥に閉じ込めたはずの辛い気持ちまでよみがえってきているのかもしれない。