恋する理由がありません~新人秘書の困惑~
 唯人さんは素敵なパパになりそうだ。
 初めての出産と育児は不安だけれど、新米のパパとママのふたりでがんばっていきたい。

「莉佐のご両親に挨拶に行かなきゃな。結婚式も挙げよう」

 式は無理だと思っていたので、唯人さんの言葉がうれしくて思わず笑顔になった。

「本当はウエディングドレスを着てみたかったんです。写真だけでも記念に撮りたくて……」

「一番早い日程で式を挙げられるホテルを探してみる。忙しくなるな」

 目と目が合い、再び自然に私たちはキスを交わした。

「俺、人生で今が一番幸せかも」

「私もです」

 だけど近い将来、私たちふたりの宝物になる“新しい命”が産まれてくるのだ。

 今よりもその瞬間のほうが幸せなのは、容易(たやす)く想像がついた。

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