恋する理由がありません~新人秘書の困惑~
結麻さんをどうしても会わせたいお母様と、それを断っていた副社長とで、どうやら攻防戦が繰り広げられていたようだ。
お母様は埒が明かないと思ったのか、彼女と一緒に会社に押し掛けるという手段に出た模様。
こうなると副社長は逃げられないし、無理に理由を作って会わないのも幼稚というか、相手に失礼になる。
だから副社長は電話を受けたときから顔をしかめたままなのだ。
私は話に耳を傾けつつも、スマホを素早く操作して秋本さんにメールを送った。
社長の奥様がお客様を連れて来られることを事前に秘書課にも伝えておかなければ、みんなパニックになってしまう。
運転手さんになるべく急いでもらい、会社の正面玄関に到着した私たちはあわてて車から降りた。
だが、ロビーへ足を踏み入れた瞬間、再び正面玄関前に違う車が横付けされたことに気がついて後ろを振り返る。
それは黒の高級車で、運転手の人が後部座席のドアを開けながら頭を下げた。
チェック柄のグレーのスーツを着た五十代の女性と、淡いパープルピンクの華やかなスーツ姿の若い女性が車から降りてくる。
ふたりとも上品で、誰なのかと聞かなくてもお母様と結麻さんだとわかった。
一瞬私たちが早かったとはいえ、ほぼ同時に会社に到着するとは。これでは準備も確認もなにもできない。
お母様は埒が明かないと思ったのか、彼女と一緒に会社に押し掛けるという手段に出た模様。
こうなると副社長は逃げられないし、無理に理由を作って会わないのも幼稚というか、相手に失礼になる。
だから副社長は電話を受けたときから顔をしかめたままなのだ。
私は話に耳を傾けつつも、スマホを素早く操作して秋本さんにメールを送った。
社長の奥様がお客様を連れて来られることを事前に秘書課にも伝えておかなければ、みんなパニックになってしまう。
運転手さんになるべく急いでもらい、会社の正面玄関に到着した私たちはあわてて車から降りた。
だが、ロビーへ足を踏み入れた瞬間、再び正面玄関前に違う車が横付けされたことに気がついて後ろを振り返る。
それは黒の高級車で、運転手の人が後部座席のドアを開けながら頭を下げた。
チェック柄のグレーのスーツを着た五十代の女性と、淡いパープルピンクの華やかなスーツ姿の若い女性が車から降りてくる。
ふたりとも上品で、誰なのかと聞かなくてもお母様と結麻さんだとわかった。
一瞬私たちが早かったとはいえ、ほぼ同時に会社に到着するとは。これでは準備も確認もなにもできない。