バーテンダーに落ちて酔わされ愛されて


傍から見たらみっともない女。


それでもいいと思えた、ユアがあたしの元から去ってしまわないなら。


でも、どんなことをしてもきっとユアは好きな人の元へ行ってしまう。



はなから止められないと分かってる。



もう関係を戻すことは不可能なんだ。



小さくなっていくユアの後姿。


一度は振り返ってくれるだろうか、なんて淡い期待を持ったあたしは本当の馬鹿で、1人の女を愛してしまった男があたしなんかを気に掛けるはずがない。



結局ユアは一度も振り返ることもなく、繁華街から…あたしの目の前から姿を消した。




「ユア…ユアぁ…っ」



虚しくも、愛した男の名前を呼び続けるあたしの声が賑やかな繁華街へ消えていく。


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