おじさんには恋なんて出来ない
番外編 第二話 今すぐ君にキスしたい
 辰美と別れたその日の夜、懐かしい連絡先からメッセージが届いた。

 あれ以来一度も連絡しなかった連絡先からの通知に、美夜はベッドの上で転がり回った。

 内心、社交辞令だったらどうしようと心配していたのだ。

『今日は付き合わせてしまって申し訳ありません。明日の店ですが、ここでどうでしょう』

 メッセージの下には店のURLが貼り付けてある。タップして確認すると、グルメサイトが表示された。

 内装は大人っぽくて洗練された感じの店だ。だが、値段はそこまで高くなかった。どうやらこの店は創作イタリアンらしい。

 さすが辰美は店のチョイスが上手だ。女性受けしそうな店を選んでくる。

 ────そういえば、辰美さんって彼女いるのかな。

 食事に誘ったということは、きっといないはずだ。そう思いたい。

 過去に付き合った男の女性関係を疑うなんて、やっぱり自分はまだまだ子供だ。辰美相手だと、余計にそう感じてしまう

 美夜はオーケーの返事をした。待ち合わせは明日の夜七時になった。

 せめて大人っぽく見えるように格好には気を遣おう。若ければなんでも許される時代は終わったのだ。三十歳ともなれば多少知性を身につけないと、辰美みたいな大人の男性の相手はしていられない。
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