愛しているから殺させて
「絶対に許さない……!!」

愛情と憎しみが混じり合い、ブランシュはホテルを睨みながら涙をこぼした。



綺麗に飾った部屋も、雰囲気を作るために買ったキャンドルも、用意したドレスや料理も、何もかも無駄になってしまった。

ブランシュは無表情のまま椅子に座り、ピーターの帰りを待つ。その手には数年前に護身用として購入した拳銃があった。

日付が変わる頃、「ただいま〜!!」と朝とは比べ物にならないほど上機嫌な声でピーターが帰ってくる。ブランシュは覚悟を決め、銃を握り締めた。

「あれ?何か暗くね?ていうか、何このご馳走!」

リビングを照らしていたのは、ブランシュが用意していたキャンドルの明かりひとつだけ。そして、それらに照らされた料理を見てピーターは目を輝かせる。

もしも、あの光景を見なければ、こんな時間であろうと帰ってきてくれたことが嬉しかっただろう。しかし今、ブランシュの中には怒りしか存在しない。
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