毒吐き幼なじみはときどき甘い。




本当に、熱のせいで頭のネジ飛んでっちゃったのかな、なんて思ってたら


昴くんが私の手を引っ張って、顔に寄せようとする。




「あーーーっ!
こ、こっちの方が冷たいから!」




なにしてんだ!!と思って、それを阻止するように冷たいスポーツドリンクのペットボトルを頬に押し付けた。




「う゛…冷たい…」



「こんな冷たいまま飲んだらお腹冷えちゃうから、自分の体温であっためたら?」



「ぬるいスポドリとかまずいからやだ…」




むす、と唇を尖らせて、昴くんはまた私の手をにぎにぎしてる。



そういえば、


昔も私と手を繋ぐ時は、昴くんのその小さな手によくにぎにぎされてた。



癖……なのかな?




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