毒吐き幼なじみはときどき甘い。
「昴くん」
「……なに?」
昴くんに手を握られたまま、
ベッドの隣にクッションを置いて、そこに座った。
「……早く風邪、治して」
「……千花がいてくれたら、早く治る…」
「冗談ばっかり…」
「あー…でも、
千花にうつしちゃったらやだなぁ…」
うーん…と唸ってる昴くん。
……弱ってるくせに、何言ってんだか。
たぶんうつしたの私だよ。だから昴くんからまたうつったりはしないと思う。
私よりも苦しんでるくせに。そんなこと気にしてる余裕ないでしょ。
「……それ、きっと私のがうつったんだよ。
だから私は平気」
「……そっか。
千花、昔から風邪とか治り早いもんな…」