毒吐き幼なじみはときどき甘い。




「母さん…うるさい…」



「あらごめんなさい!
お水とか買ってきたわよ」



「……いらない。
千花からもらったし」




まだ眠そうに目を閉じながら言ってる。



だから、私がまだいたことに、気付いてなかったみたいで。




「………?

え…? あ、っ、えっ…!!?」




ゆっくり目を開いた昴くんと視線が重なった瞬間、


昴くんがびっくりしたように飛び起きて、口をパクパクさせていた。




「……お、まえ、なんで…!」



「こら昴!
看病してくれた子を“おまえ”なんて言うんじゃありません!」



「……う、うるさい!」




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