毒吐き幼なじみはときどき甘い。



「……」




いやまぁ、昴くんだって私の気持ちなんてわからないし、お互い様だよ。



……でも



昴くんの気持ちがわからないのも、


昴くんが私の気持ちをわかってくれないことも、



すごく……嫌だ。




「………さむっ」




嫌な気分も相まって、風が冷たく感じて。



大きな音を立てないように、ゆっくり部屋に戻った。




窓を閉める前に




「……昴くん…」




思わずそう、漏れてしまって。



ハッとして、窓を閉めて勢いよくカーテンを閉めて遮断した。




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