毒吐き幼なじみはときどき甘い。
*
「……かー。
千花ー?」
「……ん…」
「千花ー、起きてるー?」
一階からお母さんの声が聞こえて目が覚めた。
夜中に目が覚めてなかなか寝付けないかと思ってたけど、あの後すぐ寝ちゃったんだな。
「起きてるよー」
ベッドからおりて、下に聞こえるように部屋のドアを開けて返事をした。
「ごめん千花、
おばあちゃん家行ってくれない?」
「なんで?」
「お父さんが会社で柿をいっぱいもらったらしくてねぇ。
食べきれないし、おばあちゃん柿好きでしょ?だからあげようと思って」
だからって、なんで私が…。
「……わかった。
行くよ」