毒吐き幼なじみはときどき甘い。



「友達なんでしょ?
そんなことしてたら、嫌われるよ」



「は?
いやすぐ返すし」



「だったら私から返しとく。
それちょうだい」




渡して、と促すように手を差し出すと、



昴くんはべ、と舌を出した。




「やだね。
そんなこと言って、天に近づきたいってミーハー心が丸見えなんだよ」



「はぁ?そんなんじゃないし」



「……俺の知らないとこで勝手に天と喋りやがって」



「は?なに?聞こえない」




いきなりボソボソ喋んないでよ。


聞こえないから耳を寄せたら。




「バーーーーカ。

って言ったの」




今度は耳が痛くなるくらいの特大ボリュームで言われた。



なんなの?声のボリューム機能バカなの?




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