毒吐き幼なじみはときどき甘い。



そう言って、ゴミ箱の中にないかとゴミ箱を覗いた時。




「……うわぁ!!」




昴くんの顔が急に真横に、ドアップでやってきて、思わず飛び退いた。




「な、な、なに!?」



「天のストラップなら、俺が持ってる」




昴くんがポケットから、少し汚れたでろでろくんを取り出した。




「それ、なんで昴くんが…」




まさか昴くん…



雪森くんから盗んだ!?




「トイレ行く時に天が落として、
気付いてなさそうだったから俺が拾っといた」



「じゃあすぐ返してあげなよ」



「いや、天の慌てふためく顔、見たくねぇ?」




……呆れた。



そうだった。昴くんはこういう男だった。




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