毒吐き幼なじみはときどき甘い。



「えっと…うちに何か用事だった?」



「千花ちゃんの家にっていうか、
千花ちゃんに用事」



「? なにかな?」




少しだけ首を傾げると、



雪森くんが照れくさそうに首を掻いた。




「一緒に学校行こうと思って」



「あー…」



「千花ちゃんと色々話したくてさ」




一応クラスメイトだし、話す機会はいくらでもあったけど…。



お互い気付かないくらい鈍感で今日まで来てしまったせいで、少し気まずい…。




「ていうか、同じクラスなのに全然気付かなかった」



「私も…」



「昴のやつ、教えてくれればいいのに」




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