毒吐き幼なじみはときどき甘い。
『昴くんと仲良いなんて思われたくない。
幼なじみじゃなければよかった』
昔、千花に言われたことを思い出して、はぁ…と息を吐いた。
あの日から、千花にとって俺は、『大嫌いな人』になったんだと思う。
だから貫いてやってんだよ。『大嫌いな人』をさ。
死ぬほど嫌われたら、俺も千花を嫌いになれるって思ったから。
でも、そんなの無理だった。
──ブーッ、ブーッ。
昔のことを思い出していたら、突然スマホが震えて現実に戻された。
……天から電話?
カバンは教室にあるのに、スマホだけ持ってどっか行ってんのか?