毒吐き幼なじみはときどき甘い。




幼少期を知ってるからか、俺は天に見下されてる。



電話をかけてくるなんて珍しいことだ、って思いながら、すぐに出るのは悔しくて、しばらくスマホの画面を凝視した。



……いつも俺のこと見下してるからだよ、バーカ。



ヘッと心の中で笑って、何コールかしてからようやく俺は応答ボタンを押した。




「もしもし」



『悪い昴、
体育倉庫の鍵持ってすぐに来て』



「は?
なにどういうこと?」



『閉じ込められた。体育倉庫に。
千花ちゃんも一緒』




……は?




「閉じ込められたって…2人で?」



『そうだよ。んなことどうでもいいから早く来て。
千花ちゃん、熱があるんだ』




天の言葉を聞いて、すぐに鍵を借りに職員室に向かって走った。




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