この夜、返品可能です。





「え、よ、宵くんっ」



ズンっと肩に重みを感じ、首に腕が回る。バランスを崩してよろけ、宵くんの身体に寄りかかる形になった。


鼻をかすめるムスクの香り。
エブリデイ、ラブである。


「ごめんな待たせて、よし帰ろう 帰って寝ようおれは今すごく眠いなぜならとても不機嫌だからである」

「えっすごい喋るじゃん宵くんえっどうした?えっ?」

「いいから、帰るよ」



手を握られ、軽く引っ張られる。

ううええぇ嬉しいけど宵くん、わたしとしてはボンキュッボンの目線が痛いのだよ。





「っ宵!」




呼び止めたのは金髪のボインさんだった。宵くんが足を止めて、振り返る。

その瞳がなんだかとっても冷たくて、向けられているのはわたしじゃないのに、背筋がピンとなった。




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