この夜、返品可能です。






ぎゅうううっと抱きしめられたから、その倍つよく抱きしめ返した。


宵くんの香りがする。

甘いムスクの、わたしが大好きな香り。


はあ、好きだなあ。




「宵くんの、彼女?」

「……そーだね」


「名前は?」

「おまえなぁ…、」


「な!ま!え!」

「……はあ。仁乃」


「アンコール」

「おい調子にのんなAマイナス」


「な、な、なんっ、それでもいいって宵くんが言った!」

「出来れば巨乳がいいけどな」


「ああ!?」

「まあいいや、俺が揉んだらおっきくなるんじゃねえ?」



「おぉん……貴様……」

「なんだよ」


「……おっぱい」

「頭おかしくなった?」



頭おかしくなったのかもしれないけど、それでもいいや。


宵くんがかっこいいから、わたし宵くんの彼女らしいから……しあわせだし、なんでもいい気がする。




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