導かれて、放れられない
「いいの?」
「はい、天聖さんを悲しませたくありません。
それに……逆なら私も……」
「うん、ありがとう。
桔梗…大好きだよ……」
そう言って、抱き締めた天聖だった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「荷物、ありがとうございました。
重かったですよね?」
再びマンションに帰ってきた二人。
「ううん、全然!
桔梗に持たせるとかあり得ないから!」
クローゼットに荷物をしまい、ソファに座る。

「桔梗、もう遅いしもう一回風呂入って寝ようか」
「はい」

今度はゆっくり浴槽に浸かる。
「大きなお風呂ですね……」
「桔梗…こっち来て?」
「はい…」
天聖の腕の中に移動する。
そして、後ろから包まれた。

「んん…」
右耳にキスをした、天聖。
「嬉しいな。これからずっと一緒にいられる。
なんか、長年探してた宝物を見つけたって感じだ」
「ほんと、不思議ですね……
私達、初めて会ったはずなのに…やっと、逢えたってお互い呟いた…」
「うん…」
「それに…いつもならあり得ない。
初めて会った日に、抱かれて一緒に住むことになるなんて……」
「ハハッ…確かに…!」

風呂から上がり、ベットに横になる。
「腕枕、辛くないですか?」
「うん、大丈夫だよ」
そう言って腕枕をしてない方の手で、桔梗の右耳に触れる。
「んん…天聖さん、耳ばっか触りすぎです……」
「だって桔梗が俺のモノって証だからつい……
それに、弱いよね?耳」
「や……」
「フフ…感じてんの?
可愛い~」
天聖の手を掴んだ桔梗。
その手を両手で包み込み、キスをした。

「そんなことされたら、またしたくなるよ?」
「え…?」
「てか、煽ってる?」
「そんなことないです!」
「んーでも、煽られた!」
「え……」

また桔梗は組み敷かれ、愛されたのだった。
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