導かれて、放れられない
「桔梗!?」
「来ないで!?」
「は……?なんだよ、それ……
桔梗?俺だよ!天聖!」

「来ないで下さい!
人殺し…!!!!」
桔梗が天聖を睨んでいた。
その光景は天聖はもちろんのこと、増見や宅間達組員にも驚愕させていた。


「久しぶり~!人殺しの天聖!」
「あ?剛田、お前……桔梗に何を……」
「俺はぁ…桔梗ちゃんに真実を教えただけだよ~!
お前と桔梗ちゃんの“運命”の意味」
「は?」

「お前も、真実を知るべきだ……」

━━━━━━━!!!!!
剛田は天聖にも真実を話した。

「思い出しちゃったんだ、桔梗」

「え━━━?」
その天聖の言葉に、ここにいる全員が凍りついたように固まった。

「若、知ってたんですか?」
「だって記憶の中の桔梗は、幼かったから。
おかしいなぁってずっと思ってた。
あ、でも愛してるのは本当だよ?」

「天聖、お前はやっぱ魔王だな」
「ありがと」
「最低だな」
「うん、最低だよ!俺」
「解放してやれよ!桔梗ちゃん」
「は?無理」

「桔梗ちゃん、虎尾組はね最大勢力を誇ってるけどそれは……裏返せば、その分最低・最悪の極悪人達ってことなんだよ」

「剛田、それ…誉め言葉!」

「ほらね……」
「剛田、また殺り会う?
今ならいいよ!ここには一般人いないし」
「は?桔梗ちゃんがいるじゃん!」

「もちろん、桔梗はマンションに帰すよ!」

「遠慮しとく!俺は天聖の女のことを知りたかっただけ!まさか、あの桔梗ちゃんだと思わなかったから、それを知っただけで十分。
だって、それだけで二人は“地獄”だろ?」
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